[東京 14日 ロイター] - 鹿島 (T:1812)が14日に発表した2021年3月期業績予想は、売上高が1兆8700億円(前年比7.0%減)、営業利益が1110億円(同15.5%減)と減収減益を見込んでいる。一時的に大型工事の施工量が少ない時期にあたる上、海外を中心に新型コロナウイルス感染拡大の影響が大きいことを織り込んだ。
新型コロナの影響については、5月6日までに国内で約6割の現場で10日間以上工事を停止したものの、5月7日以降は再開しているという。協力会社が負担した休業中の給与の一部について、同社が負担するかどうか検討中としている。
一方、海外は新型コロナの影響が大きい様子だ。同社の高林宏隆執行役員経営企画部長(訂正)は「米国ではニューヨーク州周辺のみ工事がストップしているほか、動いている他の地域でも作業の効率が落ちている状態。(コロナの影響で)海外の利益は期待できない」とした上で「今回公表した予想はベストのシナリオによるもの」とコメントした。
21年3月期の受注高予想は、1兆8300億円と前年比4.4%増となる。新型コロナの影響による期ズレはなく、旺盛な国内建設需要に支えられる。中期的にも、建築関係は新型コロナで大きな影響をけた分野は減少する一方、医療関係など増える分野もあり、トータルでの拡大を見込む。土木関係もインフラの老朽化を背景に増加が想定されており、全体的に伸びていくという。
なお、2020年3月期は、売上高が2兆0107億5100万円(前年比1.8%増)と18年ぶりに2兆円を超えたが、営業利益は1319億8700万円(同7.5%減)で減益となった。
*本文第3段落の高林氏の肩書「経営管理部長」を「経営企画部長」に訂正しました。また本文2段落目の表現を一部明確化しました。
(水野文也)