[オタワ 14日 ロイター] - カナダ銀行(中央銀行)は14日、新型コロナウイルス流行を受け金融市場安定化に向けて導入した一連の措置が奏功しているようだと述べた。ただ、エネルギーセクターの脆弱性に懸念も示した。
中銀は新型コロナ感染拡大への対応で3月に3回の利下げを実施したほか、国債とコマーシャル・ペーパー(CP)の買い入れを開始し、カナダ中銀としては初めての量的緩和(QE)に着手。4月には債券買い入れ対象を拡大した。
国内金融システムに関する年次報告書で、導入した措置が「成功の兆しを見せている」と指摘。「ストレス兆候を示していた主要金融市場では、流動性へのアクセスが大幅に改善している」と評価した。
一方、信用格付けの引き下げリスクを受け、特に需要や価格面で影響が大きい石油・ガス会社の借り換えリスクが高まっていると分析。「エネルギーセクターでは、今後半年で60億カナダドル(43億米ドル)という多くの借り換えニーズがあり、格下げの可能性が最も高い。原油価格低迷の中で、同セクターの借り換え能力が試されることになる」と指摘した。