[ロンドン 14日 ロイター] - 国際決済銀行(BIS)は14日、新型コロナウイルス危機と気候変動の2つの脅威に対応するためには世界的な協調体制が一段と必要との見方を示した。
BISは報告書で、ドル・スワップ協定や低金利での資金供給などの緊急措置は「各国およびグローバルの双方において、財政・金融政策で有望な協調体制を示した」とした上で、一段の協調対応が必要になると指摘。「一層の包括的なアプローチが必要だ。少なくとも保護主義的なアプローチは避ける必要がある」とした。
またパンデミック(世界的流行)リスクに備える保険的な枠組みに関しても言及。「世界規模の、もしくは少なくとも各国での公共の利益として、このような枠組みを確保できれば、おそらく新型コロナ感染拡大の初期段階で公衆衛生上の大規模な対応を迅速に展開することが可能となり、パンデミックのリスクを軽減できる」とし、深刻なパンデミックが発生した場合に各国が迅速に開示することにもつながるとした。
このような枠組みの構築・維持は容易ではなく、コストもかかるだろうが、世界経済が急停止している現状を考慮すると、そのようなコストは「取るに足らない」とした。
報告書では「COVID─19(新型コロナ感染症)は、社会が完全に内在化し、複雑なグローバルリスクの危険性を理解し始める転機になるかもしれない」とした。