[パリ 14日 ロイター] - 欧州航空機大手エアバス (PA:AIR)のギヨム・フォーリ最高経営責任者(CEO)は14日、同社幹部陣に対し、6月下旬頃に公表する経営計画で会社の規模見直しが必要になると指摘したほか、新型コロナウイルス感染の第2波が発生すれば航空機を再び減産する用意があると述べた。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。
フォーリCEOはコロナ危機に関するプレゼンテーションで、幹部陣に「現実を直視」するよう訴えた。コロナ危機で世界のジェット旅客機の運航機数の3分の2に相当する推定1万4000機が運休となり、航空機メーカーと航空会社の財務を圧迫している。
関係者によると、フォーリ氏はプレゼンで、エアバスは変革なしには生き残れないかもしれないと改めて警告し、「抜本的」で「先を見越した」緊急措置が必要だと強調したという。
同社の広報担当者は、決定された事項はないとコメントした。「いかなる追加策も先ずは当社の社会的パートナー(労働組合などの意味)と協議することになるため、何らかの数字について憶測するのは時期尚早だ」とした。
フォーリ氏はプレゼンで「リストラ計画」の可能性について初めて触れたが、英紙が報じた1万人の人員削減は単なる憶測だと述べた。また、「必要とされる全ての」社会的手段を用いて、よりシンプルで収益性が高い会社への構造改革を行う考えを示した。
複数の業界筋は13日、エアバスが相当に踏み込んだ人員削減を含むリストラ計画を検討しているが、すぐに決定が下される見込みはないと明らかにした。同社は既に数千人の従業員を一時帰休させている。
エアバスはナローボディー(単通路機)を3分の1、ワイドボディー(双通路機)を最大42%減産しているが、プレゼンでは新型コロナ感染の第2波が訪れた場合に一段の生産削減が必要になる可能性が指摘された。ただ、感染拡大を抑えるための封鎖措置や渡航制限が引き続き緩和されるならば、生産計画の現状維持が可能と考えているようだ。