[ニューヨーク 16日 ロイター] - 米国時間の原油先物は不安定な取引の中、約3%上昇した。米株価の上昇と国際エネルギー機関(IEA)による2020年の需要見通し引き上げが押し上げ要因となったものの、新型コロナウイルス感染拡大の第2波に対する懸念で上昇は抑制された。
清算値は北海ブレント先物 (LCOc1)が1.24ドル(3.1%)高の1バレル=40.96ドル、米WTI原油先物 (CLc1)が1.26ドル(3.4%)高の38.38ドル。
米商務省が発表した5月の小売売上高は前月比17.7%増と、市場予想の8%増を上回り、1992年の統計開始以降で最大の伸びを記録した。これを受け米株価が上昇したことで原油価格が上向いた。
英国の研究チームがステロイド系抗炎症薬の「デキサメタゾン」について、新型コロナウイルス感染症が重症化して呼吸補助が必要になっている患者の回復に大きな効果があったと発表したことも市場心理の改善につながった。
このほか 国際エネルギー機関(IEA)は石油需要は今年、新型コロナウイルスの打撃により過去最大の落ち込みを記録し、その後回復するとの見通しを表明。ただ、航空需要の鈍りから、コロナ前の水準に回復するのは2022年以降になるとの見方を示した。
ただ、新型ウイルス感染が中南米などで拡大し続ける中、米国と中国で感染が新たに広がっていることで、原油価格の上昇は抑制された。