[シドニー 30日 ロイター] - オーストラリア連邦統計局が30日に公表したデータで、国内の雇用が新型コロナウイルス感染抑制のためのロックダウン(都市封鎖)を受けた打撃から徐々に回復していることが分かった。当初失われた雇用の約30%が戻っているという。
統計局によると、就業者数は5月半ばから6月半ばにかけて1.0%増加した。ただ、封鎖前の3月半ばと比べると、依然6.4%減少している。
統計局の労働統計責任者ビョーン・ジャービス氏は「4月半ばから6月半ばにかけての就業者数の回復は、当初失われた職の約30%に相当する」と指摘した。
また「5月半ばから6月半ばにかけて、封鎖措置の緩和により20代以下の就業者数が4.1%と比較的速いペースで増加した」と述べた。
国内で経済規模が2番目に大きいビクトリア州では、新型コロナの感染者が増加しており、景気への影響が懸念されている。直近データによると、同州では電子カードを利用した支出が減少している。
RBCのエコノミスト、ロバート・トンプソン氏は、回復ペースは明らかに減速しており、「JobKeeper」や「JobSeeker」といった政府プログラムを通じた賃金支援策が引き続き重要であることを示していると指摘。こうした補完的な賃金支援が回復の鍵になると説明した。
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