[東京 16日 ロイター] - 内閣府が月末の経済財政諮問会議に提示する中長期試算は、2027年度としてきた基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)の黒字化の達成時期が後ずれする見通しとなった。複数の関係者が明らかにした。名目3%成長を実現した場合でPBの黒字化は最短でも28年度と、1年程度先送りとなる案が出ている。
今年1月時点では、政府がPB黒字化を目指す25年度に対GDP(国内総生産)比0.5%(3.6兆円)の赤字が残り、黒字になるのは27年度としていた。新型コロナの影響が収束し、21年度以降の景気回復を想定した今回の新たな試算でも、財政状況の悪化は避けられない。
新型コロナに伴う先行きの経済動向が見通しにくい現状も反映し、感染収束が後ずれした場合も含めた試算を示すことも検討する。
政府はこれまで高成長の「成長実現ケース」と1%成長を前提とする「ベースラインケース」の2通りのシナリオを示してきた。新型コロナの感染が早期に収束する場合と後ずれする場合とで、試算は計4通りとなる可能性がある。
(竹本能文)