[ソウル 21日 ロイター] - 米韓両政府は例年8月に行われる合同軍事演習について、新型コロナウイルスの影響で米軍兵士の渡航に混乱が生じる可能性があり、今年はどのような規模でいつ実施するかについてまだ決められずにいる。韓国の政府関係者が21日、明らかにした。
韓国の鄭景斗(チョン・ギョンドゥ)国防相と米国のエスパー国防長官は21日に電話会談を開いたが、合同演習の詳細を決められなかったという。
在韓米軍の兵士や職員、その家族のうち、過去3週間で50人近くの新型コロナ感染が確認されており、そのうち10人は20日に判明した。全員、韓国に到着時あるいは到着後の2週間の隔離期間中に感染が確認された。
韓国政府の当局者は「状況を見守り、合同演習の規模と日程、方法を決定する」と述べた。「必要なことを行わなくてはいけないが、防衛準備態勢を維持する上で安全も鍵となる」とし、シミュレーションを増やし、実動演習を減らす可能性を示唆した。
米軍関係者の新型コロナ感染急増は韓国内で懸念を呼んでおり、大規模な米軍基地がある平沢(ピョンテク)市は韓国政府に対し、米兵士全員の到着前の検査を徹底するよう求めた。
一方、韓国政府当局者は、鄭国防相とエスパー長官は米軍兵士の韓国撤退については話し合わなかったと述べ、米国防総省がホワイトハウスに対し、在韓米軍を縮小するための選択肢を提示したという最近の米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の報道は「事実無根」だと一蹴した。