[ジュネーブ 27日 ロイター] - 世界保健機関(WHO)は27日、新型コロナウイルス感染拡大を受けた渡航禁止を無期限に継続することはできず、各国は国内での感染拡大抑制に向け一段と取り組む必要があるとの認識を示した。
WHOのテドロス事務局長は記者会見で、マスク着用や外出自粛などの措置を厳格に守ることでしかパンデミック(世界的な大流行)を終息させることはできないと指摘。「こうした措置が守られている地域では感染件数は減少する。守れなければ増加する」とし、カナダ、中国、ドイツ、韓国などで感染拡大がうまく抑制できていると述べた。
WHOで緊急事態対応部門を統括するマイケル・ライアン氏は、各国が自国の国境を閉鎖した状態を続けるのは不可能とし、「経済活動や貿易を再開させる必要がある」と述べた。
ライアン氏は日本やオーストラリアのコロナ対応を評価した上で、制限措置が解除されて人の動きが増えるに従い、感染が再拡大することは想定されていたとし、「基本的にこれが多くの国で確認されている実情だ」と述べた。ナイトクラブや学生寮など、人が集まりやすい環境が感染症を増幅させ、市中感染の再発につながるとし、「かなりの警戒を要する」と注意を促した。
スペイン各地で発生している集団感染については、感染のピーク時ほど悪い状況ではないとし、数週間の時間がかかる必要があるが、抑制されると予想していると述べた。
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