[ワシントン 3日 ロイター] - 米野党・民主党の指導部とホワイトハウス当局者は3日、新型コロナウイルス追加対策法案を巡る協議で進展があったと明らかにした。ただ政権関係者は、合意がまとまらなければトランプ大統領が単独で措置を打ち出す可能性もあると述べた。
協議では依然として週600ドルの失業給付加算措置が主要な争点となっている。
民主党のシューマー上院院内総務とペロシ下院議長はこの日、ムニューシン財務長官、メドウズ大統領首席補佐官と約2時間にわたって協議。
シューマー氏は終了後、記者団に対し「一部の問題で一定の進展を遂げている。距離が縮まりつつある」と述べた。また「未解決の問題もまだ多いが、できるだけ早く何らかの措置を取りたいという思いがある」と語った。
ムニューシン氏も「若干の進展」があったとの見方を示し、「合意に至ることができれば、より大きなパッケージにもオープンだ」と述べた。だがその後、メドウズ氏はそうした考えを否定した。
トランプ大統領は記者会見で、ペロシ、シューマー両氏と政権が「非常に良い話し合い」を行っていると述べた。ただ、民主党が率いる州や市に対し新型コロナと無関係の問題に対処するための支援を行うことを両氏が要求していると指摘。「民主党は(州や市への支援に)1兆ドルを求めている。妥当だとは思わない」と述べた。
議会では与野党の見解になお大きな隔たりがある。民主党が5月に下院を通過した3兆ドル規模の案を堅持する一方、共和党ではマコネル上院院内総務が先週提示した1兆ドルの案に党内から反対の声が上がっている。
こうした状況を受け、共和党側の交渉はムニューシン、メドウズ両氏が主導している。与野党協議に参加していないマコネル氏は上院での答弁で、「民主党指導部は表向きは結論を求めながら、裏では超党派合意が成立しないよう動いている」などと述べ、ペロシ、シューマー両氏を非難した。
最終的な合意がなお不透明な中、トランプ大統領の経済復興タスクフォースのメンバーを務めるスティーブン・ムーア氏はロイターに対し、ホワイトハウスが労働者による給与税納付を猶予する独自措置を真剣に検討していると明らかにした。同氏によると、これによって最大3000億ドルが米経済に注入される。
トランプ氏は、大統領令を通じて強制的な立ち退きの禁止を命じたり、労働者からの給与税徴収を停止することが可能だと述べた。
専門家によると、トランプ大統領はこのほか、起業やインフラプロジェクトの足かせとなる連邦規制の順守を免除することも可能だという。
コンウェー大統領顧問は、トランプ氏による単独措置の可能性について記者団に問われたのに対し、「大統領は常に、議会の指導力がない場合に行政権限で行動することを検討している」と述べた。
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