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トランプ氏、コロナで軍医療施設に入院 発熱や疲労感の症状

発行済 2020-10-03 04:03
更新済 2020-10-03 11:48
© Reuters. トランプ氏、コロナ感染で「軽い症状」 大統領選再選に打撃か

[ワシントン 2日 ロイター] - 米ホワイトハウス高官は2日、新型コロナウイルスに感染したトランプ大統領が、ワシントン郊外のウォルター・リード米軍医療センターに入院すると明らかにした。必要に応じ緊急の治療が受けられるようにする予防的措置で、今後数日入院するという。

関係筋によると、トランプ大統領は発熱している。ホワイトハウスのショーン・コンリー専属医は「疲労状態にあるものの、しっかりしている」とし、米リジェネロン (O:REGN)が開発中の抗体カクテルを投与していることを明らかにした。

また、メラニア夫人には「軽度の咳と頭痛の症状がある」という。

マクナニー大統領報道官は「用心のため、そして専門医らの提言を踏まえ、トランプ大統領は今後数日、ウォルター・リード軍医療センターの大統領執務室から職務をこなす」と述べた。

トランプ大統領は同日未明、新型コロナに感染したとツイッターへの投稿で明らかにした。メドウズ大領首席補佐官はその後、トランプ大統領は「軽い症状」を発症しているものの、執務不能には陥っておらず、自主隔離して職務を継続していると説明していた。

米大統領選挙まで残すところ31日となる中、再選に向けた選挙活動に影響が及ぶのは必至だ。

トランプ大統領は妻のメラニア夫人の感染も明らかにし、「直ちに隔離し回復プロセスに入る。共にこれを乗り越える!」と述べた。また、ホワイトハウス高官によると、息子のバロンさんはコロナ検査で陰性だった。

コロナ感染を発表後、トランプ大統領によるツイッターへの投稿はない。マクナニー報道官は、トランプ大統領が近く、何らかの形で米国民に対し演説を行うと明かした。

1日に大統領の側近ホープ・ヒックス氏がコロナ検査で陽性と判定されたことを受け、トランプ氏とメラニア夫人は検査を受けた。ヒックス氏は大統領専用機で、今週の米大統領選候補者討論会やミネソタ州で行われた選挙イベントに随行していた。

トランプ氏大統領は74歳という年齢に加え、肥満気味で、コロナ症状が重くなるリスクが高いとみられている。

トランプ大統領の選挙集会や遊説予定にも影響が及ぶ。トランプ陣営は選挙集会や関連イベントを延期、もしくはオンライン形式に切り替えて開催する方針を示した。トランプ氏はこれまで精力的に全米各地を遊説していた。

トランプ大統領のコロナ感染を嫌気し、米株価は軒並み下落。とりわけナスダック総合は2%超安となった。

野党民主党の大統領候補、バイデン前副大統領夫妻もこの日コロナ検査を受け、陰性が判明。ハリス副大統領候補夫妻の陰性も分かっている。

バイデン氏は9月29日の第1回大統領選テレビ討論会で、トランプ大統領と対面で対決していた。

バイデン氏はツイッターへの投稿で「トランプ大統領とメラニア夫人の一刻も早い回復をお祈りする」というメッセージを送った。

バイデン氏はこの日、激戦州ミシガン州に向かい、選挙活動を展開する。

ペンス副大統領の報道官によると、ペンス氏夫妻のコロナ検査は共に陰性だった。当面は、ホワイトハウスから離れた自宅から職務に当たり、ペンス氏のスタッフもトランプ大統領のスタッフから離れて勤務するという。

トランプ大統領が執務不能となった場合、ペンス副大統領が大統領の職務を引き継ぐ。 米大統領の継承順位2位の下院議長を務めるペロシ氏もMSNBCに対し、コロナ検査で陰性だったことを明らかにした。

米大統領選については、トランプ大統領が職務不能に陥れば、共和党全国委員会(RNC)が新たな大統領候補を指名することになるが、投票用紙に記載された候補者の変更は難しいほか、すでに少なくとも220万人が期日前投票を行っているとみられ、不透明性は拭えない。また、RNCのマクダニエル委員長が今週、コロナに感染したことも明らかになっている。

他の政府トップにも感染者がいる可能性があることから、ホワイトハウスでは幅広い検査や接触者の追跡が行われている。これまでにムニューシン財務長官、ポンぺオ国務長官、バー司法長官、ロス商務長官、トランプ氏の娘婿ジャレッド・クシュナー大統領上級顧問が検査を受け、陰性が確認された。

また、側近ヒックス氏のコロナ陽性判明後に、トランプ大統領がニュージャージー州にある自身のゴルフコースで資金集めのイベントを決行したことも波紋を呼んでいる。関係筋によると、トランプ大統領から約9メートル離れた距離に約100人の群衆が集まっていたという。

さらに、9月26日にホワイトハウスで開催されたエイミー・バレット最高裁判事指名発表式に参加していた共和党のマイク・リー上院議員とノートルダム大学のジョン・ジェンキンス教授がコロナに感染したことも明らかになった。バレット氏は検査で陰性だった。関係筋によると、バレット氏は先にコロナに感染したが回復したという。

トランプ大統領のコロナ感染ニュースを受け、過去にコロナに感染したジョンソン英首相や欧州連合のミシェル大統領ら世界の首脳、中国外務省の報道官は、トランプ大統領とメラニア夫人の早期回復を願うとのコメントを発表した。

ロシア政府によると、プーチン大統領は「トランプ大統領が持ち前のバイタリティーと精神力、楽観主義でこの危険なウイルスに立ち向かうと確信している」とのメッセージを送った。

一方、中国共産党機関紙・人民日報系の環球時報の胡錫進編集長は「トランプ夫妻は、トランプ大統領がコロナを軽視するギャンブルの代償を支払った。米国のコロナ感染を巡る深刻な状況が浮き彫りとなった。トランプ大統領と米国、さらにトランプ氏再選にマイナスの影響が及ぶだろう」と述べた。

トランプ大統領は、新型コロナ流行の初期段階で事態を深刻に受け止めず、ウイルスはいずれ消えるとの見方を繰り返し示していた。

いまや米国の新型コロナ感染症による死者は20万人を超え、世界で最も感染者の多い国となっている。それでも、トランプ氏はマスクをほとんど着けず、バイデン氏をはじめ、きちんとマスクを着用している人々を冷やかしていた。9月29日の米大統領選討論会でも、ポケットからマスクを取り出し「必要な時はマスクを着ける」と述べた。そして「彼(バイデン氏)のようにマスクはしない。見るたびに彼はマスクをしている。200フィート離れたところで話せるのに、見たこともないほど大きなマスクをして登場した」とバイデン氏をからかった。

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