[ワシントン 11日 ロイター] - トランプ米政権は11日、包括的な新型コロナウイルス経済対策法案を巡る協議の行き詰まりを受け、既に期限が切れた中小企業向け支援策の残余資金を活用した小規模なコロナ景気対策を可決するよう議会に求めた。
ムニューシン財務長官とメドウズ大統領首席補佐官は議員らへの書簡で、包括的法案での合意を目指し、野党・民主党の上院トップ、シューマー院内総務とペロシ下院議長との協議を続けると表明。同時に、議会は中小企業を対象にした「給与保護プログラム(PPP)」で未使用となっている約1300億ドルの活用を可能にする法案の採決を「直ちに」行うべきだと訴えた。
「米国民にとってオール・オア・ナッシングの対応は、受け入れられないものだ」とした。
民主党側の交渉団を率いるペロシ氏の報道官は、コメントの求めに応じていない。
ホワイトハウスのブライアン・モーゲンスターン報道官は、記者団に「企業が従業員の雇用を維持できるよう」PPPを再開することになると説明した。
トランプ政権は9日、1兆8000億ドルのコロナ経済対策を提案。トランプ大統領は先に、民主党とのコロナ経済対策を巡る協議を11月の米大統領選挙後まで停止すると発表していたが、態度を一変させた上で提示額も積み増した。ただ、共和党の複数の上院議員は公的債務拡大や議会選への悪影響を懸念し、政権側の示した額を批判した。
米連邦準備理事会(FRB)の当局者らは、議会に積極的な財政支援を講じるよう求めてきた。ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は11日、米CBSの番組で、景気回復は「踊り場」を迎えたと指摘し、追加刺激策が必要との認識を示唆。
「多くの人々、多くの小規模企業が苦境にある」とし、「より力強い回復にするため、議会の積極的な対応が引き続き必要だ」と述べた。
カドロー米国家経済会議(NEC)委員長は米CNNの番組で、上院共和党が最終的に譲歩すると予想。経済対策を巡る交渉で今週、「一段の取り組み」が行われるだろうと語った。