[19日 ロイター] - オーストラリアの新型コロナウイルス感染再拡大の中心地となったビクトリア州で19日、移動制限が緩和された。ただ、小売店やレストランの営業再開はまだ先になることから、業界関係者からは不満の声も聞かれている。
州都メルボルンでは屋外での活動を1日2時間に制限するといった厳しい措置が100日以上続いてきたが、19日からはこの制限が解除される。
ただ、同州のアンドリュース首相は18日の記者会見で、行動範囲は自宅から25キロ以内に制限されるとし、集会も引き続き厳しく規制されると述べた。また、小売店やレストランは持ち帰りとデリバリーのみの営業が認められるとし、これらの業態について州政府は11月1日までの再開を視野に入れていると説明した。
「全ての人が望むことがきょうの発表に含まれていないことは承知している。きょうは安全なことを発表した」と述べた。
約2200の事業体を代表する地元の団体であるメルボルンのチャペルストリート・プリシンクト・アソシエーションによると、加盟事業からは、怒りの声が上がっているという。
ビクトリア州は国内で2番目に人口が多く、国内総生産(GDP)の25%を占めるが、政府のデータによると、ロックダウン(封鎖措置)の長期化により、現在は国内の実質的な失業者の40%を占めている。
同国のモリソン首相は声明で、ビクトリア州の新規感染者は低水準となっており、「11月の規制見直し前に小売り・ホスピタリティーセクターを再開することが正当化される」との見解を示した。
アンドリュース州首相は感染者数が低水準にとどまり、感染経路が分かっている場合、11月1日よりも早期に一部の規制を緩和する可能性があるとしている。
ビクトリア州では8月上旬に1日当たりの新規感染者が700人を超えたが、19日の新規感染者は4人で、前日の2人からは増加したものの、1桁台が1週間近く続いている。