[シドニー 26日 ロイター] - 豪州アクチュアリー会は26日公表の論文で、同国でのソーシャル・ディスタンシングや封鎖措置は新型コロナウイルス感染拡大を抑制しただけでなく、6月に約400人が肺炎などの呼吸器疾患で死亡するのを防いだとの研究結果を明らかにした。
同論文は、同国の最新の死亡者データを精査した結果、冬の真ん中の月である6月で想定される死者数よりも実際の死者数が少なかったとし、これは呼吸器疾患の減少によるものだと結論付けた。
アクチュアリー会の新型コロナ感染症作業部会の幹部、ジェニファー・ラング氏は「ロックダウン(封鎖措置)やその他のコロナ抑制措置が豪州の多くの人々にかなりの苦境をもたらしたのは明確だ。身体的および精神的健康や経済への中長期的な影響があるのは確実だ」と指摘。
一方、「これらの措置は多くの豪州人をコロナ感染症の病気から守り、死を防いだだけでなく、他の死因による死者数も減少させた」とした。
豪政府は3月に広範な封鎖措置を導入し、集会できる人数を制限したほか、国境を閉鎖した。