[ワシントン 12日 ロイター] - 米財務省が12日発表した10月の財政収支は2840億ドルの赤字と、10月としては過去最大の赤字となった。
新型コロナウイルスの流行に関連する歳出が、前年同月比で大幅に増加。歳入も減少した。新年度(10-9月)の初めから大幅な赤字を計上したことになる。
10月の財政赤字は、前年同月比111%増。前年同月は1340億ドルだった。10月としては、世界的な金融危機と景気後退に見舞われた2009年10月の最高記録1760億ドルを61%上回った。
昨年度の財政赤字は通期で3兆1320億ドルと、前年比で3倍以上になった。新型コロナ発生前の歳出縮小と歳入拡大が赤字幅を抑制する要因になったという。
「責任ある連邦予算委員会」のシニア・バイスプレジデント、マーク・ゴールドウェイン氏は、追加の新型コロナ経済対策が議会を通過しなければ、今年度の財政赤字は1兆5000億ー2兆ドルになる可能性があるとの見方を示した。
新型コロナの流行前、今年度の米国の財政赤字は1兆ドルに達すると予想されていた。共和党主導で可決した2017年の減税で歳入が落ち込むとみられていた。
10月の連邦歳入は3%減の2380億ドル。歳出は37%増の5220億ドル。