[16日 ロイター] - 米国で新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからない中、16日はニュージャージー州が制限措置の強化を発表したほか、ペンシルベニア州フィラデルフィア市は屋内の集会の全面禁止を決定した。
ニュージャージー州、カリフォルニア州、オハイオ州なども厳格な規制を再導入。ロイターが公衆衛生当局のデータを集計したところ、全米では16日時点で、新型コロナ流行後で最多となる7万人以上が新型コロナ感染症で入院している。
ニュージャージー州のマーフィー知事(民主党)は、新型ウイルスの感染拡大に伴い、制限を強化すると発表。屋内の集会人数を従来の25人から10人に制限する。また23日からは、屋外の集会人数も500人から150人まで引き下げる。
宗教施設での礼拝や結婚式などの参加人数は、引き続き収容人数の25%、最大150人までとする。
マーフィー知事はMSNBCのインタビューで、「状況は悪化しており、今後も悪化の一途をたどりそうだ」と述べた。
フィラデルフィア市は住民に対し外出を極力控えるよう呼び掛けると同時に、屋内での集会を場所、規模を問わず全面的に禁止すると発表。当局者は、感染件数の急増が続けば病院の対応が追いつかなくなり、フィラデルフィアで向こう6週間以内に1000人の死者が出る恐れがあると警告した。
このほか、ニューメキシコ州がこの日から2週間にわたり外出制限などの感染抑制措置を実施。ミシガン州とワシントン州も15日からレストランの店内飲食の禁止を含む新たな制限措置を導入している。
<カリフォルニア、オハイオ、オクラホマ州でも規制強化>
カリフォルニア州では、ニューソム知事が活動再開計画に「急ブレーキ」をかけると表明。州内58郡のうち40郡で、商業・社会規制を17日から強化する。対象地域には州の人口4000万人の大半が居住している。
バーやレストランでの屋内サービスを禁止するほか、他の多くの事業活動や集会に対する規制も強化する。外出時のマスク着用指針も厳格化し、限られたケースのみを例外扱いとする。
カリフォルニア州では過去10日間で新規感染者数が倍増。知事は病院の収容能力増強に向けた措置を再導入した。
オハイオ州では、過去1週間で合計の入院患者も少なくとも25%増加。1日当たりの新規感染者は17%増えている。
同州のデワイン知事は、17日から大人数の集会を制限すると表明した。
オクラホマ州のスティット知事も、バーとレストランの夜11時以降の営業を19日から禁止すると発表。約3万3000人の州の職員に対し、18日から勤務中のマスク着用を義務付ける。
全米では、過去1週間の1日当たりの新規感染者が平均で14万8000人を超え、1日当たり1120人が亡くなっている。
米国のコロナ感染者は累計で1100万人を突破。8日には1000万人を超えたばかりで、100万人の増加に要した期間はこれまでで最短となった。
ミズーリ州セントルイスの新型コロナ対策本部長を務めるアレクサンダー・ガーザ医師はCNNに対し、あと2週間で州内の病院施設は対応しきれなくなるとした上で、「こうした状況が続けば、間違いなく職員や支援がさらに必要だ」と訴えた。
感染者と入院患者の急増は、8カ月前にパンデミックが始まった時には最悪の被害を免れていたアイオワ州のような中西部の農業地帯で特に顕著となっている。
アイオワ州では、過去2週間で5万2000人以上の新規感染者が報告されており、この数は、3月から8月中旬にかけて確認された感染者と同水準。現在、入院患者の4人中1人がコロナ感染者となっている。
同州のレイノルズ知事(共和党)は、全ての屋内集会で参加者を15人に制限し、屋外集会は30人を上限とすると発表した。
また、州内の飲食店の営業は午後10時までに制限。屋内の公共の場で少なくとも15分過ごす時に人との距離が確保できない場合はマスク着用を義務付けるとした。
*内容を追加しました。