[17日 ロイター] - バイデン米次期政権で新型コロナウイルス対策本部(タスクフォース)の共同議長を務めるビベック・マーシー氏は17日、政権移行の遅れにより国内の新型コロナ対策に影響が出る恐れがあるとの懸念を示した。
マーシー氏は、バイデン氏の政権移行チームが開いた記者との電話会議で、国内で感染者や入院患者が急増しているにも関わらず、専門家は現政権のコロナ対策担当高官と話すことができないと指摘。こうした状況が次期政権のワクチン供給に影響を及ぼす可能性があるとの見方を示した。
「われわれは担当者と話しをして、彼らと協力する必要がある」と強調した。
空き病床数や医薬品・医療機器の政府備蓄数などのリアルタイムのデータに専門家はアクセスできずにいるとし、「われわれは公開されているデータを見ることはできるが、連邦政府が1月20日に向け準備しなければならない広範囲にわたる情報にアクセスすることができない」と説明した。
さらに、米国医師会、米国看護協会、および米国病院協会もトランプ政権に書簡を送り、新型コロナに関する情報をバイデン氏の政権移行チームと共有するよう求めた。
書簡は、多くの命を救うために、治療薬や検査用品、個人用保護器具、人工呼吸器、病床数や労働力に関するリアルタイムのデータが共有される必要があると指摘している。
保健当局は、年末の祝祭シーズンにかけて屋内での集まりなどが増え、気温も下がることから新型コロナの感染が一段と広がることを警戒している。
中西部のミネソタ、ミシガン、イリノイ、オハイオ、インディアナ、ケンタッキー、ウィスコンシン州は共同で声明を発表し、今年の感謝祭は家族以外の人と祝うことを控えるべきだとする医療専門家の指針を伝えた。
中西部はこのところの感染拡大が最も深刻な地域。16日までの週で中西部では44万4677人が感染し、感染者数は北東部と西部を合わせた数を36%上回っている。