[東京 18日 ロイター] - 東京都は18日、新たに493人の新型コロナウイルス感染が確認されたと発表した。1日の感染確認者が400人を超えるのは8月8日以来で、これまで最多だった8月1日の472人を上回った。493人のうち65歳以上の高齢者が77人。重症者数は39人。
<都は警戒レベル引き上げか>
小池百合子都知事は、この日の数字について、幅広い世代に広がっていることもポイントだと思っているとした上で、「感染者数のみならず、広がりや世代、地域などを見て専門家の意見を聞いていきたい」と語った。
東京都は新型コロナウイルス感染症に関するモニタリング会議を明日開く予定。一部メディアは、明日の会議で新型コロナウイルスの感染状況のレベルを4段階のうち最も深刻な「感染が拡大している」に引き上げる方向と伝えている。
感染は東京以外でも拡大しており、TBSなど一部のメディアはこの日の感染者が全国で初めて2000人を超えたと報じている。午後に会見した日本医師会の中川俊男会長は、全国的に感染が拡大していることについて「GoToトラベル自体から感染者が急増したというエビデンス(証拠)がはっきりしないが、きっかけになったということは間違いないと思っている」と発言。政府に政策の見直しは要請しなかったものの、「安全な感染予防対策が、結果的に一番の経済対策につながるものと考えている」と語った。
<GoTo「止めるわけにはいかない」>
一方、加藤勝信官房長官は18日午後の会見で、旅行者や観光事業者が感染拡大の防止対策をしっかり実施すれば、移動による感染リスクを低く抑えることができるのは、これまでの「GoToトラベル」の実績から確認できると説明。3連休の間に一律に県間移動の自粛を要請する考えはないと表明した。
また、現時点で東京都から「GoTo除外の要望は受けていない」と説明し、「GoToトラベル」の対象から東京都を除外する考えは、今のところないとの意向も示した。
下村博文自民党政調会長は会見で、GoToトラベルについて、「果たしている役割は大きい」と指摘。「止めるわけにはいかない」と語った。
厚生労働省はこの日の感染者増について「極めて深刻な状況だ」とした上で、感染者数だけでなく、状況を分析して今後の対策につなげていく必要があるとの認識を示した。
*内容を追加しました。
(石田仁志、久保信博 グラフ作成 照井裕子 編集:山川薫)