[東京 19日 ロイター] - 東京都は19日、新たに確認された新型コロナウイルスの感染者が534人になったと発表。前日の493人を上回り、2日連続で過去最多を更新した。都は同日開催したモニタリング会議で、新型コロナ感染状況のレベルを4段階のうち最も深刻な「感染が拡大している」に引き上げた。会議に出席した専門家は「急速な感染拡大の局面」との見方を示した。
モニタリング会議では、医療提供体制については4段階で上から2番目の「体制強化が必要であると思われる」に据え置いた。ただ、専門家からは病床の拡充や、症状のない人などのための宿泊療養施設の受け入れ態勢を強化する必要があるとの指摘が出た。
<全国で広がる感染、「最大限の警戒状況」>
東京都以外でも感染は拡大している。愛知県もこの日、新たに219人の感染が確認された。200人乗せは初めてで過去最多となった。県ではこれを受けて警戒のレベルを「警戒領域」から「厳重警戒」に引き上げた。
共同通信などによると、このほかにも北海道(240人以上、うち札幌200人前後)、兵庫県(129人)などで過去最多の新規感染を記録した。
足元の全国的な感染拡大を受け菅義偉首相は同日朝、首相官邸で記者団に「最大限の警戒状況」にあると警戒感を示し、19、20日に開く専門家会議の議論を踏まえて、関係閣僚に効果的な対策を行うよう指示したことを明らかにした。
<GoToイート、「静かなマスク会食」を>
会食の場での感染も増えているが、飲食店の需要喚起策GoToイート事業について加藤勝信官房長官は午前の記者会見で、12月からは全都道府県でポイント事業がより大きな規模で行われることに触れ、「事業の主力として飲食需要の拡大を期待している」と指摘、東京都はその要として期待を示した。
政府は地方公共団体に対し、GoToイートの人数制限などの検討を要請しており、菅首相は、マスク着用や「3密」回避など基本的な感染対策の徹底のほか、飲食時も会話の際はマスクを着けるなど「静かなマスク会食」を求めた。
一方、緊急事態宣言について加藤長官は、コロナ対策分科会で感染状況と医療の逼迫状況を総合的に判断して決めると指摘。感染防止と社会経済活動の両立を図る方針を強調した。
*内容を追加しました。