[東京 31日 ロイター] - 31日に東京都で新たに確認された新型コロナウイルスの感染者は過去最多の1337人となり、全国では初めて4000人を超えた。拡大を続ける国内の感染状況を受け、菅義偉首相は同日夕に関係閣僚と対応を協議。厳しい状況にあるとの認識を記者団に示しつつも、緊急事態宣言の発令には慎重な姿勢を崩さなかった。
東京都が31日に発表した新規感染者は1337人。26日の949人を上回り、1日の感染者としては過去最多となった。国内メディアによると、全国の感染者はこの日初めて4000人を超えた。NHKは4515人と報じている。
西村康稔経済再生担当相らと官邸で協議した菅首相は、記者団に対し「明らかに増加傾向にあり、大変厳しいと認識している」と語った上で、年末年始の医療体制を確保するよう、あらためて指示したことを明らかにした。緊急事態宣言を出す可能性を問われると、「今の医療体制をしっかり確保して、感染拡大回避に全力を挙げる。この事が大事だと思っている」と述べた。
厚生労働省によると、英国で報告されているコロナ変異種の感染者を31日は6人確認した。このうち2人はアラブ首長国連邦(UAE)から、4人は英国から国内の空港に到着した。5人は無症状、1人は食欲の低下が見られるという。
感染が急速に拡大している東京都の小池百合子知事は、都庁で記者団に対し「コロナにとって年末も年始もない」と語り、大晦日のカウントダウンを控えるとももに、静かに年始を過ごすよう都民に呼び掛けた。小池氏は30日の会見で、感染拡大を抑えることができなければ「緊急事態宣言の発出を要請せざるを得なくなる。年末年始が分水嶺だ」と語っていた。
西村再生相は30日夜に動画メッセージを投稿。「東京は過去最多の水準で増加傾向が続いている。このまま感染拡大が続けば、国民の皆様の命を守るために緊急事態宣言も視野に入ってくる」と述べ、感染拡大防止への協力を国民に訴えた。
*内容を追加しました。
(久保信博 石田仁志 編集:山川薫)