[ジュネーブ 23日 ロイター] - 世界貿易機関(WTO)のオコンジョイウェアラ事務局長は23日、欧州連合(EU)の新型コロナウイルスワクチン輸出制限措置に失望していると述べ、制限措置は一時的であるべきと指摘した。
また、この問題でEU側と協議中であることも明らかにした。
EUの欧州委員会は今月11日、コロナワクチンの輸出に際しEU側の事前承認取得を製薬企業に義務付けた制度を6月末まで延長した。同制度はEUに必要なワクチンを確保するため1月末に導入され、3月末を期限としていた。
オコンジョイウェアラ事務局長はWTOのオンラインイベントで「とりわけ制限措置が延長されたことに失望したと明らかにした」とし、「この措置への対応についてEU側と積極的に協議している」と語った。
WTOで協議が難航しているコロナ治療薬やワクチンの知的財産権保護の一時免除を巡る見解を問われると、反対しない考えを示した。
その上で、協議には時間がかかるため、輸出規制の緩和や既存の生産能力の強化など他の方法による増産を模索することも重要だと述べた。
EU当局者によると、欧州委はコロナワクチン輸出制限を24日に強化する見通し。