[ロンドン 25日 ロイター] - 英航空会社が委託した調査で、新型コロナウイルス持ち込みが懸念される入国時の1度の迅速抗原検査で10日間の自主隔離と同等の感染抑止効果が期待できることが分かった。
英国は現在、仕事や勉学、健康上の理由がある場合を除き、すべての海外旅行を禁止している。だが、政府は来月にこの措置を見直す予定で、5月17日から解禁される可能性がある。
一方で、欧州の一部ではコロナ感染者が増えているほか、英国の閣僚が夏の海外旅行の予約をしないよう呼び掛けていることから、旅行禁止措置が延長されるとの懸念もある。
調査は、英ブリティッシュ・エアウェイズの親会社IAG、英ヴァージン・アトランティック航空などの航空会社が委託、コンサルティング会社オクセラとエッジ・ヘルスが報告書をまとめ、25日に公表。海外旅行の再開方法や時期を検討している英政府の作業部会に提出された。同部会は4月12日に検討結果の報告を行う。
ヴァージン・アトランティックのワイス最高経営責任者(CEO)は「科学的知見に従い、リスクに基づき段階的に検査義務や国境規制を解除することで、海外旅行を安全にかなりの規模で再開できると考える」と語った。
報告書は、よりリスクの高い国については、2回検査が選択肢になる可能性があるとした。
英国は昨年、大半の国からの渡航者に対する10日間の隔離義務を導入。人々が旅行を控える結果となり、旅行業界に打撃となった。