[ジュネーブ 1日 ロイター] - 世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は1日、新型コロナウイルスの起源に関する報告書について、専門家が追跡調査を実施すると明らかにした。ただ詳細はまだ決まっていないとした。
WHOは3月30日、国際調査団が中国湖北省武漢で行った新型コロナの起源を巡る調査の報告書を公表し、ウイルスが武漢周辺の研究所から漏えいしたとの見方は「最も可能性の低い仮説」と結論付けた。これに対し、日米を含む計14カ国は懸念を表明する共同声明を発表。テドロス事務局長も一段の調査が必要との認識を示していた。
テドロス氏はオンライン記者会見で「追跡調査を実施する」とし、できるだけ早期に着手すると述べた。
ワクチンについては、公平な供給を目的とした国際的な枠組み「COVAX」を通した貧困国への供給が「深刻な課題」に直面していると指摘。先週、各国にワクチンの共有を要請したほか、 製造業者に協力を呼び掛けたと明らかにした。
このほか、WHOの感染症専門家、マリア・バンケルコフ氏はブラジルの感染状況に懸念を表明。新型コロナ感染患者の増加で多くの病院の集中治療室の使用率が90%を超えているとし、「複数の州で余談を許さない状況になっており、現在ブラジルは極めて深刻な事態に陥っている」と述べた。