[サンパウロ 9日 ロイター] - ブラジルで新型コロナウイルス感染拡大に歯止めがかからず、世界保健機関(WHO)のブルース・エイルワード上級顧問が「地獄」のような状況になっていると警戒を呼び掛ける中でも、ボルソナロ大統領は9日、対応への批判に反論し、州知事によるロックダウン(都市封鎖)の動きを批判した。
ブラジルの新型コロナ感染による死者数は34万5000人を超え、米国に次いで世界で2番目に多い。感染拡大で医療機関が逼迫し、このところの1日の死亡者数は4000人を超えている。
WHOのエイルワード上級顧問は「ブラジルは感染拡大で荒れ狂う地獄のような状況になっている」と警告。こうした中でもボルソナロ大統領は、ロックダウンのほか、これよりも緩やかな感染拡大抑制措置を導入しようとした州知事を非難。ウイルスよりも抑制措置でより多くの人を殺したと批判した。
医療機関の対応体制が限界に近づく中でも、サンパウロ州は抑制策の一部を来週緩和すると発表している。