[ロンドン 13日 ロイター] - 石油輸出国機構(OPEC)は13日に公表した月次報告で、2021年の原油需要が前年比日量595万バレル(6.6%)増えるとの見通しを示し、先月の見通しから7万バレル引き上げた。新型コロナウイルスの危機が和らぐとの見方だ。
OPECは報告書で「新型コロナウイルスのワクチン接種が進展するにつれコロナ感染や危機が収まってくる見込みだ。ソーシャル・ディスタンシング(社会的距離の確保)措置や渡航規制が緩和され、移動が増えるだろう」と述べた。
OPECはここ数カ月間、ロックダウン(都市封鎖)が続いていることから原油需要見通しを引き下げてきたが、今月は見通しに変化があった。景気回復がさらに進めば、OPECとロシアを含む非加盟国で構成する「OPECプラス」が、昨年実施した過去最大規模の協調減産の縮小を正当化できるようになる可能性がある。
OPECは21年の世界の国内総生産(GDP)見通しを5.4%増と、これまでの5.1%増から引き上げた。パンデミック(世界的大流行)の打撃が下半期の初めまでに「大方収まる」との見方を示した。
米政権がサウジアラビアに対して、エネルギー価格を消費者にとって手ごろな水準に維持するように呼び掛けたことを受けOPECプラスは1日、5月より協調減産を徐々に縮小することで合意した。
米国の制裁を受けているイランは協調減産の対象から外れており、3月に増産。結果としてOPECの3月の生産量は20万バレル増の2504万バレルだった。
ライバルの生産国も増産している。ただOPECは、OPEC以外の生産国の21年生産見通しを約100万バレル増に維持した。米国のシェールオイルは通常、原油価格が上がると生産が増えるが、減るとの見通しも維持した。
需要が増え、OPEC以外の生産見通しが横ばいとの見方から、OPECの原油の需要は21年に2740万バレルと、先月の予想から20万バレル引き上げた。 OLJPWORLD Reuters Japan Online Report World News 20210413T154008+0000