[シドニー 12日 ロイター] - オーストラリアでは12日、新型コロナウイルスの1日当たり感染者が今年に入ってからの最多を記録した。最大都市シドニーではロックダウン(都市封鎖)3週目に入ったが、感染力の強いインド由来の変異株(デルタ株)が広がっている。
ニューサウスウェールズ(NSW)州の新規感染者は112人で、ほとんどがシドニーで確認され、5日連続で過去最多を更新した。
ただ、新規感染者のうち、感染中に地域内で他の人に接触した可能性のある人は、11日の45人から34人に減少した。
同州のベレジクリアン首相は、16日が期限のシドニーのロックダウンを延長するかどうかは、今後数日のこの数字を見て決定するとし、「これは可能な限りゼロに近づける必要がある数だ」と強調。また、12日に確認された感染者の多くは家族や友人などから感染したと説明した。
同国でワクチン接種を完了した人は成人の11%前後にとどまっている。ワクチンの供給不足に加え、政府の接種方針に混乱が生じていることが原因との指摘が出ている。
連邦政府は、血栓に対する懸念を理由に、国内で生産した英アストラゼネカ製ワクチンの接種対象を60歳以上に限定することを奨励。米ファイザー製の輸入ワクチンの接種対象は現在、供給不足を理由に40-60歳に制限されている。
ただNSWは12日、アストラゼネカ製ワクチンを40歳以上の全ての人に投与することを認めると表明。連邦政府は、アストラゼネカ製ワクチンの接種を希望する40歳未満の人に対し、医師に相談するよう求めている。