[チューリヒ 12日 ロイター] - スイスの保険会社チューリッヒ・インシュランス・グループが12日発表した上期決算は、新型コロナウイルスのパンデミックの影響が薄れるとともに保険契約が伸び、利益が急回復した。
営業利益は60%増の27億ドル。同社がまとめたコンセンサス予想は約25億ドルだった。
マリオ・グレコ最高経営責任者(CEO)は「2021年上期利益は、過去10年で最高だった2019年上期の水準を回復した。期間中に発生した自然災害や、今も続く公衆衛生の危機を考えると、素晴らしい業績を達成した」と述べた。
ジョージ・クイン最高財務責任者(CFO)によると、先月のドイツの大洪水に関連したエクスポージャーは1億5000万─2億ドル程度。ただ保険金支払い手続きは初期段階だと述べた。
上期の株主帰属純利益は86%増の21億9000万ドル。営業利益や実現キャピタルゲインの拡大が寄与した。
財務健全性の指標となるスイス・ソルベンシー・テスト(SST)比率は206%で資本が強固なことを示したとし、2022年の目標を達成できる状況にあると説明した。
新型コロナ関連の営業利益押し下げは7300万ドルで、前年同期の6億8600万ドルから大幅に減少した。
生命保険部門では保険金支払い請求が増えたものの、損害保険部門でカバーした。損保部門では、新型コロナの行動規制に関連した保険金請求が、新型コロナ関連の請求をカバーして余りあるほど減少したという。
また全ての地域の商業部門で保険料が大幅に上昇。この傾向が年後半も続く見通しを示した。