[東京 25日 ロイター] - 政府は25日、専門家らによる基本的対処方針分科会で、緊急事態宣言の対象地域に新たに8道県を追加する諮問案を提示し、了承された。新型コロナ対応の特別措置法に基づく「まん延防止等重点措置」の追加適用も併せて了承され、全国47都道府県の7割で行動制限を伴う感染対策を講じる。
分科会終了後、西村康稔経済再生担当相が記者団に明らかにした。分科会での了承を経て国会に報告し、今夕の政府対策本部で正式決定する。首相官邸によると菅義偉首相が午後9時から記者会見する。
新たに追加する緊急事態宣言の対象地域は北海道、宮城、岐阜、愛知、三重、滋賀、岡山、広島の8道県。正式に決まれば緊急事態が発令される地域は21都道府県に広がる。政府は20日から7府県の宣言適用を決めたばかりだが、感染拡大に歯止めがかからず追加対応に追い込まれた。
重点措置の対象には高知、佐賀、長崎、宮崎の4県を加える。重点措置の対象地域は12県となり、緊急事態宣言を適用する21都道府県と併せ、全国47都道府県の7割で厳しい感染対策を取る。期間は27日から9月12日までとする。
西村担当相は分科会の冒頭、全国の1日あたりの新規陽性者数が2万5000人を超え、逼迫する医療提供体制の現状に対処するため、指針変更に理解を求めた。「臨時医療施設の活用も含め、医療提供体制の強化を直ちに取り組んでいただきたい」とし、各自治体と連携して医療体制の強化に取り組む考えを示した。
西村氏は酸素ステーションの整備や看護師の確保、中和抗体薬の利用促進にも意欲を示した。
学校での感染防止策にも言及し、大学や高校でのオンライン活用や教職員のワクチン接種促進に加え、無症状者のモニタリング検査を拡充すると表明。小中学校や幼稚園などを対象に9月上旬から最大80万回程度の抗原簡易キットを配布すると語った。