[シドニー 28日 ロイター] - 豪ニューサウスウェールズ(NSW)州のベレジクリアン首相は28日、新型コロナウイルスワクチン未接種のシドニー市民は12月の全面的な規制解除後もさまざまな社会活動を禁止される可能性があると警告した。
州都シドニーのロックダウン(都市封鎖)解除に向けた行程表では、ワクチン接種完了者を対象に10月11日から12月1日の間に段階的に規制が緩和されることになっている。
ベレジクリアン首相は、12月1日以降も未接種者は店舗やレストラン、娯楽施設へのアクセスが禁止される可能性があると指摘。
セブンニュースに対し「多くのビジネスがワクチンの接種を受けていない人を受け入れないと言っている。未接種者の生活はいつまでも非常に厳しいものになるだろう」と語った。
同州では10月11日からパブ、カフェ、ジム、美容院などが営業を再開する。ワクチン接種を終えた人の割合が成人の80%に達するとみられる10月末までに規制はさらに緩和される。
連邦政府のハント保健相は同州の行程表を歓迎し、可能な限り早期のワクチン接種を促した。
<累計感染者10万人突破>
当局がワクチン接種率を高めて早期の経済再開を目指す中、2大都市シドニーとメルボルン、首都キャンベラを中心に感染拡大は続いている。
28日には国内全体の感染者数が累計10万人を突破。このうち70%が感染力の強い変異ウイルス「デルタ株」が広がった6月半ば以降に確認された。死者は累計1256人。
NSW州の新規感染者は863人で、前日の787人から増加。死者は7人だった。メルボルンが州都のビクトリア州の新規感染者は867人で過去最多を記録した。死者は4人。
北東部クイーンズランド州でも新たに4人の感染者が報告された。約2カ月ぶりとなる感染経路が不明な人も1人含まれており、当局は調査を急いでいる。