[ダブリン 6日 ロイター] - アイルランド中央銀行は6日、国内の経済活動が年内に新型コロナウイルス流行前の水準に回復するとの見通しを示した。消費が予想以上に急増し、インフレ圧力が高まる見通しという。
ただ、インフレ圧力は来年後半に向けて緩和する見込み。欧州中央銀行(ECB)も、ユーロ圏の最近のインフレについて、多くの要因が一時的だとの見解を示している。
中銀は、国内経済の健全性を示す指標である修正内需が今年5.5%、来年7.1%増加すると予測。3カ月前の予測はそれぞれ3.4%、5.6%だった。
国内総生産(GDP)は15.3%増と、政府予測に沿った水準になる見通しだが、アイルランド経済に実際に寄与しない多国籍企業の活動で再びゆがめられるとの見通しを示した。
GDPは、国内経済の実質成長率を3倍前後、過大に見せる可能性が高く、アイルランドの国民経済計算を分析や政策立案により良く利用できるよう、データポイントをさらに開発する必要があるとしている。
財政赤字は、修正国民総所得(GNI*)比7.5%に縮小する見通し。厳格なロックダウン(都市封鎖)から力強く回復していることが背景。政府は7月の予算案で9.4%と予測していた。
2022年と2023年の財政赤字はGNI*比でそれぞれ4.2%、2.8%に大幅に縮小する見通し。
中銀は、来年のインフレ率の予想を2%から2.9%に上方修正。所得の伸びは年内に5.1%に達し、その後、2022年に4.8%、2023年に3.4%に鈍化する見通し。
2023年のインフレ率は1.9%に鈍化する見込み。