[ブラジリア 6日 ロイター] - 米製薬大手ファイザーは6日、独ビオンテックと共同開発した新型コロナウイルスワクチンを、ブラジル南部の町で12歳以上の住民全員に接種し、ワクチンの効果を調べる実証研究を行うと発表した。
研究現場はパラナ州西部の町トレドで、人口14万3000人。ブラジルのワクチン接種プログラム、現地保健当局、病院、大学と共同で行われる。
ファイザーは研究の目的について、住民の接種後の「実生活環境」でのコロナウイルス感染について調べることだとし、「これは発展途上国で同社が共同で実施するこの種類としては初めての取り組みだ」と説明した。
研究に加わる病院関係者は、臨床試験で見られたワクチンの効果と安全性を現実の世界で検証することが目的だと述べた。
この研究はまた、参加者を最大1年間追跡することで、ワクチンのコロナウイルスと新たな変異株に対する感染予防効果の持続期間などに関する疑問の解明にも役立つという。
現地保健当局者によると、トレドではワクチン接種反対者はほとんどおらず、人口の98%が主にファイザー製ワクチンの1回目を接種し、56%が接種を完了している。
ブラジルのブタンタン研究所もサンパウロ州セラーナで、中国シノバック・バイオテック(科興控股生物技術)製コロナワクチンを使った類似の研究を行った。同研究所は5月、人口4万5644人のセラーナでは新型コロナウイルス感染症による死亡が95%減ったと発表した。