[ミラノ 6日 ロイター] - イタリア国立衛生高等研究所(ISS)は6日、国内でmRNA(メッセンジャーRNA)の新型コロナウイルスワクチン接種者について、特定の集団を除き、2回目接種から7カ月経過しても有効性が低下せずに持続したとの研究結果を発表した。
ISSとイタリア保健省は米ファイザーや米モデルナなどのmRNA型ワクチンを2回接種した2900万人強の8月29日までのデータを分析。
感染予防の有効性は接種から7カ月後も89%となり、入院と死亡を防ぐ有効性は、接種後6カ月時点でそれぞれ96%と99%に維持された。
ファイザーが4日に公表した、独ビオンテックと共同開発したコロナワクチンの感染予防の有効性に関する研究とは異なる結果が出た。
ファイザーは昨年12月から今年8月にかけて米国での電子データ約340万人分を分析、有効性は2回目接種時点の約90%から半年後には47%に低下した。ただ、この研究ではマスク着用の指針を守ることや、ウイルス検査の頻度やウイルスにさらされる可能性に影響し得る地域ごとの人口密集度がもたらす影響については、データが十分ではない。
イタリアでは、屋内でのマスク着用が義務づけられ、夏前までは屋外でも必須となっていた。このような厳格なルールが研究結果に影響を与えた可能性がある。
ISSの報告によると、免疫力が弱い人は、感染予防の有効性が2回目接種の28日後に低下し始めた。低下の度合いは、免疫力が弱まる原因となった病気によってさまざまだった。
80歳以上の介護施設入居者でも有効性の低下が見られたが、80%以上の水準を維持した。