[ジュネーブ 20日 ロイター] - 世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は20日、新型コロナウイルスのオミクロン変異株がデルタ株よりも速いペースで拡大している「一貫した証拠がある」と語った。
さらに「ワクチン接種を済ませた人が感染、新型コロナ感染症から回復した人が再感染する公算が大きい」と警告した。
WHOの主任科学者ソミヤ・スワミナサン氏も、オミクロン株が免疫反応を回避している可能性があるとし、多くの国で始まっている追加接種(ブースター接種)プログラムは、免疫が弱っている人を対象とする必要があると指摘。ただ「全てのワクチンが完全に効力を失うとは考えていない」と述べた。
一方、モノクローナル抗体の多くがオミクロン株に効かないことに言及し、「課題は存在する」と指摘。ただ詳細については語らなかった。
スワミナサン氏はまた、オミクロン株の病原性が他の変異株と比べて低いと結論付けるのは尚早と指摘。「感染者数が増加すれば医療機関が逼迫する」として警戒を呼び掛けた。
このほかWHO当局者は、ロシアの国立ガマレヤ研究所が国産の新型コロナワクチン「スプートニクV」について、最新のデータを年末までに提出すると明らかにした。来年2月に製造施設の視察が実施されるとしている。
テドロス事務局長はまた、新型コロナの起源について中国は一段のデータと情報を提示する必要があると指摘。「将来的によりうまく対応するために、今回、何が起こったのか把握する必要があると述べた。