[ジュネーブ 11日 ロイター] - 世界保健機関(WHO)の技術諮問グループは11日、新型コロナウイルスワクチンについて、オミクロン株のような新たな変異株に対応するよう改良することが必要となる可能性があるという認識を示した。
諮問グループは「新型コロナワクチンがオミクロン株や将来発生する変異株による感染に対し、WHOが提言する水準の効果を提供し続けることを確実にするため、現在のワクチンの成分の改良が必要となる可能性がある」と指摘。「継続的なブースター接種(追加接種)の必要性を低下させるために、コロナワクチンは広範囲にわたり強力かつ持続性のある免疫反応を生じさせる必要がある」とした。
また、従来型ワクチンのブースター接種を繰り返すという戦略は「適切でも持続可能でもない」とした。
ただ、現段階でオミクロン株に特化したワクチンはなく、さらなる研究が必要とし、製薬企業にデータを共有するよう要請した。
諮問グループによると、最新型のワクチンは現在のオミクロン株のように多くの場所で感染の主流となっている変異株に特化したものになるか、複数の変異株に対応できるような「多価ワクチン」になる可能性があるという。より多くのデータが利用可能になった段階で新たな勧告を出すとした。
こうした中、欧州医薬品庁(EMA)のワクチン戦略部門のトップ、マルコ・カバレリ氏も「ブースター接種は緊急時計画の一部となり得るが、短期間の接種を繰り返すことは持続可能な長期戦略にはならない」と指摘。4カ月ごとのブースター接種は免疫システムに過剰な負荷を与える可能性があるとした。