[10日 ロイター] - アジア時間の原油先物は続落。1%以上下落している。新型コロナウイルス感染拡大抑制に向けた中国のロックダウン(都市封鎖)、ドル高、景気後退リスクの高まりを背景に、世界の需要見通しに対する懸念が浮上している。
0216GMT(日本時間午前11時16分)時点で、北海ブレント先物は1.31ドル(1.2%)安の1バレル=104.63ドル。米WTI原油先物は1.25ドル(1.2%)安の1バレル=101.84ドル。一時はともに2ドル下落した。
前日は3月以来の大幅安。3月以降5─6%下落している。
国際金融市場では金利上昇が経済成長に及ぼす影響が懸念され、リスク資産が売られている。ドルは約20年ぶりの高値水準。
中国のロックダウン強化を背景に4月の同国輸出が鈍化する中、世界的な景気後退の可能性も懸念されている。
金融市場では、ウクライナ侵攻を受けてロシア産石油の輸入を段階的に禁止する措置が一部の欧州諸国に経済的な打撃を与えるとの懸念が広がっている。
ドイツ当局は、ロシアからのガス供給が突然停止した場合に備え、重要企業の経営権取得などの危機管理計画を水面下で準備している。当局者3人がロイターに明らかにした。
ドイツ政府・経済諮問委員会のアヒム・トルーガー委員は10日付のライニッシェ・ポスト紙とのインタビューで、ロシアからのガス供給が停止すれば国内経済は深刻な景気後退(リセッション)に陥り、約50万人の雇用が失われるとの見方を示した。