Josh Smith Hyunsu Yim
[ソウル 24日 ロイター] - 北朝鮮が新型コロナウイルスへの対応から原子炉の安全確保、戦争のシミュレーションまで、あらゆる分野に活用するために人工知能(AI)と機械学習(ML)を開発していることが、米カリフォルニア州の研究所、ジェームズ・マーティン不拡散研究センター(CNS)の報告書で分かった。
核開発計画を巡る国際的な制裁により、北朝鮮はAIハードウエアを確保しにくくなっている可能性はあるものの、最新鋭の技術を追求しているもようだという。
報告書の執筆者ヒュク・キム氏は「北朝鮮の最近のAIとMLの開発努力は、デジタル経済強化のために戦略的投資を行っていることを意味する」と指摘している。
韓国の国家情報院は24日、北朝鮮のハッカーが標的を探し、ハッキングに必要な技術を取得するために生成AIを活用している兆候を検知したと明らかにした。
実際のサイバー攻撃にはまだ使用していないもようとの見方を示し、状況を注意深く監視していると説明した。
報告書によると、北朝鮮は2013年にAI研究所を設立し、研究者らは中国など外国の学者とも協力している。
新型コロナのパンデミック中には、適切なマスクの使用法を見極めるモデル作りなどのためにAIを活用した。また科学者らは、原子炉の安全維持のためのAI利用について、調査報告書を公表したという。
キム氏は、北朝鮮のAI開発は多くの問題をはらんでおり、外国の学者との協力は制裁体制についての懸念も生じさせると指摘した。