[台北 7日 ロイター] - 台湾財政部が発表した9月の輸出は、市場の増加予想に反して過去4カ月で最大の減少となった。長引く米中貿易戦争で、中国向け輸出が落ち込んだ。
9月の輸出は前年比4.6%減の281億ドル。アナリストによると、国際コモディティー価格の下落も影響した。
ロイターがまとめた市場予想は1%増。8月は、スマートフォン(スマホ)需要が旺盛で2.6%増加していた。
財政省は、9月の輸出について、年末のピークシーズンを控えて通信・電子製品への需要が高まったが、コモディティー価格の下落や、金属・プラスチックなどの素材需要の減速で帳消しになったと説明。
第4・四半期は、スマホの新モデルが発売されるなどハイテク機器の需要がピークを迎えるため、輸出は「横ばいないし小幅な伸び」を取り戻す可能性があるとみている。
財政省当局者は会見で「輸出は底入れした」と述べ「世界貿易を巡る不確実性で世界の供給網が混乱し、台湾企業は生産拠点を台湾に移転している」と述べた。
マスターリンク・セキュリティーズ・インベストメント・アドバイザリーのアナリストは、製造業が追加関税を回避しようと発注先を中国から台湾に変更していることを挙げ「輸出は11月から再び増加するだろう」と述べた。
米国向け輸出は前年比8.6%増加。通信・電子製品の輸出が好調だった。中国向け輸出は5.5%減少した。
日本向けは1.5%増加、欧州向けは13.2%減少した。