[ロンドン 17日 ロイター] - 英国立統計局(ONS)が発表した2019年12月の小売売上高指数は、予想に反して前月比0.6%低下した。過去最長の5カ月連続の低下となった。ロイターがまとめたエコノミスト予想の中央値は0.5%上昇だった。英経済の弱体化が改めて示されたことで、イングランド銀行(英中央銀行)が今月にも利下げを決定する可能性が出てきた。
前年比では0.9%上昇。エコノミスト予想の下限を下回った。
ONSの統計担当者は、長期的には成長が見込まれるものの、ここ数カ月は減速が著しいと指摘した。
12月の統計は、11月24日から12月28日までの調査に基づいており、ブラックフライデー、サイバーマンデー、12月12日の総選挙も含まれる。
弱い小売り統計は、30日の中銀金融政策委員会でも検討材料になりそうだ。中銀は昨年11月、12月の金融政策委員会で政策金利を据え置いているが、2回とも9人中2人が利下げを主張した。
ONSは11月分を下方修正。第4・四半期全体では1.0%減となり、17年初旬以降で最悪となった。
小売売上高は昨年7月以降増加しておらず、増加がない期間は1996年の統計開始以降で最長となった。
英国では昨年12月に実施された総選挙でジョンソン首相率いる保守党が圧倒的な勝利を収めたが、与党の圧勝でも実質的な消費が押し上げられなかった可能性があることが今回の統計で初めて示された。
キャピタル・エコノミクスのエコノミスト、トーマス・プー氏は「ブラックフライデーが例年より遅かったにもかかわらず12月の小売売上高が減少したことは、12月の経済成長率が思わしくないことを示しており、中銀が今月の金融政策委員会で利下げを決定する可能性が高まった」と指摘。ただ「総選挙がこなされたことに加え、不確実性が一部解消したことで潮目が変わる可能性もある」とし、「消費者心理の改善を示す兆候も出ており、1月はそれほど悪くならない公算もある」と述べた。 OLJPBUS Reuters Japan Online Report Business News 20200117T105010+0000