[ニューヨーク 15日 ロイター] - 米財務省が15日発表した2月の対米証券投資統計によると、海外投資家による米国債保有高が7兆0660億ドルと1月の6兆8570億ドルから増加し、過去最高を記録した。新型コロナウイルス感染拡大がパンデミック(世界的大流行)となる前で、利回りを追求する動きが続いた。
日本の保有高も過去最高の1兆2680億ドルとなり、1月の1兆2110億ドルから増加。引き続き、外国勢として米国債の最大の保有国となった。
BMOキャピタル・マーケッツのシニア金利ストラテジスト、ジョン・ヒル氏は、利回りを背景にした投資意欲が依然として見られると指摘。現在は数週間前と比べて利回りは低下しているものの、米10年債利回りは日本国債の利回りを60ベーシスポイント(bp)上回っていると語った。
中国の米国債保有高は海外勢で2位。1兆0920億ドルとなり、前月の1兆0780億ドルから増加した。
ヒル氏は、新型コロナの感染がすでに広がっていた2月に中国の保有が増加したことに驚きを示した。
中国は新型コロナによる経済への影響を背景にした人民元の下落を抑制するために米国債を売却するとみられていた。
一部のアナリストは今後について、特に新興国の中銀が新型コロナ対応で、米国債を売却し自国通貨を支援すると予想している。
2月の海外投資家による米国債投資は48億8000万ドルの買い越し。1月は255億9000万ドルの買い越しだった。買い越しは3カ月連続。
2月末時点の米10年債利回り (US10YT=RR)は1.126%だった。