[東京 22日 ロイター] - SMBC日興証券の集計によると、5月21日までに2020年3月期決算を発表した東証1部企業(金融除く)の通期経常利益は前年比19.0%減となっている。内訳は、製造業が同24.2%減、非製造業が14.1%減。第4・四半期に新型コロナウイルスの感染拡大の影響が出て全体の足を引っ張った。
第4・四半期(20年1─3月期)の経常利益は前年同期比69.3%減。製造業が同68.6%減、非製造業が同70.1%減といずれも大きく減少した。新型コロナの感染拡大の影響で需要が急減した鉄鋼、原油価格下落が響いた石油・石炭製品、旅客需要が落ち込んだ空運、陸運などの減少が目立った。
21年3月期の業績予想について、発表済み企業のうち6割程度の企業が開示していない。例年は、非開示とする企業は1割弱程度で、例年に比べて非開示が桁違いに多いのも今回の決算発表の特徴という。
SMBC日興の伊藤桂一チーフクオンツアナリストは「業績予想を出さないことは、株価材料としてネガティブに捉えられる傾向にある。どの程度悪くなるか見通しすら立たないということで、投資家としては相当慎重にみざるを得なくなる」と指摘。その上で「これから経済活動再開の動きは出てくるが、4、5月の穴を埋めることはできないだろう。4─6月期も新型コロナの影響は継続する」との見方を示した。
5月21日時点で全体(金融除く)の83.1%となる1113社が発表を終了した。