By Noreen Burke
Investing.com --今週は7月米雇用統計が注目の的である。今回の米雇用統計の予想レンジは幅広い中、多くのエコノミストは7月の雇用統計の回復は鈍いと睨んでいる。また、 7月末で米失業給付の特例は失効したが、議会による新たな新型コロナウイル救済策の合意が期待されている。先週は大手IT企業の決算が多く発表され、決算シーズンはハーフタイムを迎えている。またFOMCがハト派よりのメッセージであったり、4-6月期の実質GDPは最悪であったことを受け、一部米国債利回りは過去最低をつけている。欧州では、イングランド銀行(英中銀)は6日、政策金利を発表する。本記事では、今週注目のポイント5選をとりあげる。
米雇用統計
米労働省が発表する非農業部門雇用者数(米雇用統計 7月)が今週7日に予定されている。市場予想は7月では165万人増である。6月の480万人増とくらべると少ない。また今回の雇用統計は一部の州で封じ込め措置が再開される前の期間である。INGのアナリストは、前回の雇用統計雇用が増加していることから雇用の増加を期待しているが、75万人程度と予想している。
また雇用統計前日の6日には、週次の米新規失業保険申請件数がある。先週では新規失業保険申請件数は2週間連続で増加している。
追加財政支援策
7月末に週あたり600ドルの失業保険上乗せ金プログラムが終了した。民主党と共和党は新たな財政支援について合意に至っていない。
民主党は約1兆ドル規模の法案で、州による給付分と合わせて、パンデミック前の給与の7割を上限とするシステムを構築するまで、週200ドルとなる給付額を提案する一方で、民主党は来年1月まで週600ドルの特例の継続を提案している。
Q2決算のハーフタイム
Q2決算シーズンも半ばを過ぎたが、予想を上回る結果も多く見られる。Refinitiv IBESのデータによると、欧米でこれまでに発表された約250社以上の企業のうち、S&P500企業の80%が予想を上回り、欧州企業の65%が予想を上回っている。
General Motors (NYSE:GM)やCaterpillar (NYSE:CAT)など予想を上回る好決算だった一方、大手IT企業企業ではAmazon (NASDAQ:AMZN)は過去最高の売上、Facebook (NASDAQ:FB)は予想を上回る増収、Apple (NASDAQ:AAPL)はiPhoneの売上が好調であった。
今週では Disney (NYSE:DIS)、Berkshire Hathaway (NYSE:BRKa)、Tyson Foods (NYSE:TSN)、Clorox (NYSE:CLX)、CVS (NYSE:CVS)などの決算が控えている。
米国債利回りの低下
先週7月30日に発表された米実質GDPは前期比年率32.9%減となり、米国債利回りは3年物、5年物、20年物で過去最低を記録した。イールドカーブ全体が1%を割り込むところまで低下している。今週の失業率によって、一段と下げる可能性があるだろう。
先週、米連邦準備制度理事会(FRB)は「経済の行方はウイルスの経過に大きく左右される」と述べ、景気回復は新型コロナウイルスの動向に連動することを強調した。
FRBは「あらゆる手段を駆使して」経済を支え、新型コロナの影響からの回復のために必要な限りゼロ金利政策と量的緩和策を続けることを決定している。
イングランド銀行 政策金利
イングランド銀行(BoE)は今週6日に政策金利発表をおこなう。6月に債券購入プログラムを1000億ポンドまで拡大したあとで、これ以上の追加は期待されていない。
ベイリー総裁によるマイナス金利導入への最新の考えについて注目されている。
英国は景気の回復は長期化する可能性が高く、ブレクジット移行期間が12月31日に終了する前にEUとの貿易協定を締結する必要がある。
ブレクジット移行期間終了が迫る中、イングランド銀行はいくつかの選択肢を用意しておきたいところだろう。