[ロンドン 8日 ロイター] - 8日に公表されたバークレイカードと英小売協会(BRC)のデータによると、英消費者の8月の支出は、近場で休暇を過ごす「ステイケーション」や在宅勤務に関連した支出などを中心に増加した。
バークレイカードがまとめた8月の消費支出は前年同月比0.2%増加し、新型コロナウイルスの感染拡大に伴うロックダウン(都市封鎖)前の今年2月以来のプラスとなった。
国内旅行や出勤再開に向けてガソリン支出が増えたほか、政府の外食割引制度を利用したレストランやパブでの支出が好調だった。衣料品への支出も2019年3月以来の増加となった。一方、航空会社や旅行代理店など旅行関連は61%減少した。
バークレイカードの消費者商品責任者、ラヒール・アーメド氏は「(新型コロナによる)混乱の後、支出が初めて増加に転じたのは心強い」と述べた。
一方、BRCがまとめた8月の小売売上高は前年同月比3.9%増と、イースター(復活祭)のタイミングにより生じたゆがみを除いて過去2年余りで最大の伸び率を記録した。
在宅勤務への移行で食品やコンピューター関連、家具、テレビなどの売上高が伸びた。
ただ、BRCのヘレン・ディキンソン最高経営責任者(CEO)は、在宅勤務が続いた場合、通勤者に依存する小売業者は店舗閉鎖のリスクにさらされると指摘。「政府が早急に対策を講じなければ、9月は閉鎖に追い込まれる店舗が増え、失業者が増加する」と警鐘を鳴らした。