[東京 12日 ロイター] - 日銀が12日に発表した3月の貸出・預金動向によると、銀行・信金計の貸出平残は前年比6.3%増の579兆9945億円となり、残高は過去最高を更新した。新型コロナウイルスの感染再拡大により飲食業・宿泊業などで追加的な資金需要が出てきたほか、実質無利子融資の申し込みが3月末で期限となるのを前に、地銀・第二地銀や信金で駆け込み的な借り入れがみられた。
内訳では、都銀等の貸出平残が6.7%増と前月から伸び率が横ばいとなる一方、地銀・第二地銀は5.2%増、信金は8.6%増と前月を0.1%ポイント上回った。
残高では、地銀・第二地銀が270兆1127億円、信金が76兆1216億円となり、いずれも過去最高となった。
日銀は3月、貸出促進付利制度の導入を決めた。日銀の担当者は、現時点で資金需要が落ち着いていると指摘。その上で「実質無利子融資の申し込み期限が終わったこともあり、新制度も後押しする形で金融仲介機能がしっかり発揮されることを期待している」と話している。
3月の預金平残は都銀・地銀・第二地銀の3業態計で9.9%増の811兆8435億円となり、残高が過去最高となった。法人預金、個人預金とも伸びた。
(和田崇彦)