[ワシントン 21日 ロイター] - 全米リアルター協会(NAR)が21日に発表した4月の米中古住宅販売戸数(季節調整済み)は年率換算で前月比2.7%減の585万戸と、3カ月連続で減少し、昨年6月以来の低水準を付けた。市場予想は2.0%増の609万戸。深刻な供給不足の中で、住宅価格が過去最高となった。
地域別では北東部と西部、人口が多い南部で減った一方、中西部は増えた。
4月の前年同月比は33.9%増。1━4月は前年同期比20%増加した。新型コロナウイルスの感染拡大を抑えるために生活に必須でない事業が閉鎖を余儀なくされた昨年4月に売り上げが急減したため、前年比の数字は歪んでいる。
販売価格中央値は前年同月比19.1%増の34万1600ドルと、過去最高を更新した。
住宅在庫は前年同月比20.5%減の116万戸だった。4月の販売ペースに基づく在庫の消化期間は2.4カ月。健全な需給バランスには6─7カ月が適切とされている。
初回住宅購入者の割合は31%。前月同月は36%だった。
経済活動の再開で市場に出回る中古住宅が増えるとの慎重ながらも楽観的な観測も出ているが、ハイ・フリークエンシー・エコノミクス(ニューヨーク州)のチーフ米国エコノミスト、ルベーラ・ファルーキ氏は「供給難が解消されるまで、在庫不足と価格高が引き続き阻害要因となる」との見方を示した。