[オタワ 5日 ロイター] - カナダ統計局が5日発表した6月の貿易収支は32億3000万カナダドル(25億8000万米ドル)の黒字と、予想外の黒字となった。原油や自動車の出荷増を背景に輸出が大幅に増加した。
ロイターが実施したアナリスト調査では6億8000万カナダドルの赤字が見込まれていた。6月の黒字額は、34億5000万カナダドルの黒字を記録した2008年9月以来約13年ぶりの大きさとなった。
輸出は前月比8.7%増の537億6000万カナダドルと過去最高を記録。伸び率は20年7月以来の高水準だった。新型コロナウイルス禍からの景気回復を反映した。
カナダ輸出開発公社のチーフエコノミスト、ピーター・ホール氏は「非常に嬉しいサプライズだ。国際的なサプライチェーンの制約が緩和されつつあり、基本的な潜在需要が顕在化している」と語った。
原油輸出は生産増を背景に25.7%増加した。4月と5月は生産ペースが鈍化していた。
半導体不足でここ数カ月低迷していた自動車と部品の輸出は14.9%増加した。ただ、前年同期比では8%超減少した。
キャピタル・エコノミクスのポール・アシュワース氏はリサーチノートで「自動車部門は依然として(半導体)不足への対応に苦慮している。エネルギーの輸出が過去最高に近づいていることを踏まえると、さらなる増加の余地は限られる」と指摘した。
半導体不足は自動車と部品の輸入減少(3.8%)にもつながった。6月の輸入は全体では1.0%減となった。