[東京 12日 ロイター] - 日銀が12日に発表した2021年12月の貸出・預金動向によると、銀行・信金計の貸出平残は前年比0.6%増の580兆8697億円となった。企業の資金需要が落ち着く中、伸び率は前月と変わらなかった。
都銀等の貸出平残は1.1%減で減少率は前月から変わらず。地銀・第二地銀は2.0%増と前月の1.9%増から伸びが小幅に高まった。地銀・第二地銀の貸出平残は273兆0853億円となり、7カ月連続で過去最高を更新した。住宅ローンや大都市圏での不動産関連貸出が伸びている。信金は0.8%増と、前月から伸び率が縮小した。
12月の預金平残は都銀・地銀・第二地銀の3業態計で3.9%増の833兆7864億円となった。
日銀は12月の金融政策決定会合で、民間部門の資金繰りを支援する新型コロナウイルス対応特別プログラムについて、中小企業支援に特化する形で縮小し、期限を半年間延長することを決めた。新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の感染が急速に拡大しているが、日銀の担当者は「足元の貸出・預金動向に影響を与えているとの声は今のところ聞かれていない」と指摘。ただ、影響を引き続き注視していきたいと話した。
(和田崇彦)