[ロンドン 16日 ロイター] - 格付け会社フィッチは16日、インフレによる各政府の債務比率の低下幅がこの20年強で最大になりそうだとする予想を示した。米国債務の対国内総生産(GDP)比は5%ポイント前後低下するとしたほか、世界的な低下幅は2%ポイントとなる見通し。
2022年のインフレによる政府債務比率への影響は地域によって異なり、中東・北アフリカでの影響が最も小さく、サハラ砂漠以南(サブサハラ)のアフリカでの影響が最も大きいと予測されている。
インフレによって政府債務比率が中央値よりも大幅に低下すると予想される先進国のソブリンには、米国(GDP比5%ポイント)、英国(同4.6%ポイント)、カナダ(同4.1%ポイント)が含まれている。
フィッチが格付けを行う全120カ国の平均値ではその低下幅は2%ポイントとなり、08年に匹敵し、過去20年以上で最も大きなインフレの影響を受ける見込み。
フィッチのトップソブリンアナリストであるジェームズ・マコーマック氏とエド・パーカー氏は報告書で「少なくとも世界レベルで債務が『インフレで帳消し』にされていると主張するのは大げさだろうが、インフレ率の上昇が助けになっているのは間違いない」としている。