[ストックホルム 25日 ロイター] - スウェーデンのストックホルム国際平和研究所(SIPRI)が25日発表したデータによると、2021年の世界の軍事費は2兆1130億ドルと、初めて2兆ドルを突破した。ウクライナ侵攻前のロシアと欧州も拡大していた。
軍事費増の最大の影響は数年後に表れるとみられる。
ロシアはウクライナ国境沿いの戦力を増強したため、軍事支出を2.9%増やし、659億ドルとした。3年連続の増加となり、GDP(国内総生産)の4.1%に達した。
SIPRIは「石油とガスの高収入が軍事費増に貢献した」と指摘。「ロシアの軍事費は、エネルギー価格の低下と14年のクリミア併合に伴う制裁が重なった結果、16年から19年にかけて減少していた」という。
ロシアは軍事支出規模で米国、中国、インド、英国に次ぐ5位を維持した。
SIPRIによると、ウクライナの21年の軍事費は59億ドルで、ロシアの10分の1以下となった。
欧州の軍事費総額は4180億ドルで、ロシアによるクリミア併合以降、急激に増加。20年から3.0%増加し、12年比では19%増だという。