[東京 28日 ロイター] - 経済産業省が28日発表した3月鉱工業生産指数速報は、前月比0.3%上昇した。2カ月連続の増加。福島県沖の地震の影響で一部工場の稼働が停止したが、世界的に新型コロナウイルスの影響が緩和したことなどで半導体製造装置などが上昇し全体を押し上げた。
ただ、ロイターが事前に実施した予測調査の同0.5%上昇を下回った。
経済産業省は生産の基調判断を「持ち直しの動きがみられる」に据え置いた。
前月比で上昇に寄与した業種は、半導体製造装置や繊維機械などの生産用機械工業で前月比3.3%のプラスだった。また、化学工業は同5.4%、輸送機械工業(自動車工業除く)は同8.4%の上昇だった。
一方、マイナスに寄与した業種は、普通乗用車や小型乗用車などの自動車工業で前月比6.0%の減少だった。また、無機・有機化学工業などもマイナスに作用した。
生産予測指数は4月が前月比5.8%上昇、5月が同0.8%減少となった。予測指数は上振れする傾向があるため、補正した試算では4月は前月比0.8%上昇。
経産省の担当者は、中国の上海におけるコロナ対策のロックダウン(都市封鎖)の影響で発生した部品調達不足などで、先行きの生産見通しについて「下振れリスクがある」との見解を示した。
ウクライナ情勢に関しては、企業の生産が直接的な影響を受けたということは確認できていない、とした。ただ、間接的に原油高などの影響で生産設備において「エネルギーコストが上昇しているような影響はあるかもしれない」と話した。
*経産省の発表資料は以下のURLでご覧ください。
http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/index.html [http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/index.html]
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