[パリ 31日 ロイター] - フランス国立統計経済研究所(INSEE)が31日発表した5月の欧州連合(EU)基準の消費者物価指数(CPI)速報値は、前年同月比5.8%上昇した。4月の5.4%上昇から加速し、EU基準指数の算出が始まった1990年代初頭以降で最大の伸びを記録した。
上昇率は、ロイターがまとめたエコノミスト予想の平均の5.6%も上回った。前月比では0.7%上昇した。
議会選を控え、マクロン大統領にとって逆風となりそうだ。物価高への対応はフランスで大きな政治問題となっており、マクロン政権は選挙後に購買力支援に向けた一連の対策を講じると約束している。
フランスはガスや電気料金の上昇抑制などで250億ユーロ規模の措置を講じており、ユーロ圏の大半の国よりもインフレ率を低く抑えている。
国内基準のCPIは前年同月比5.2%上昇。伸び率は4月の4.8%から加速し、1985年9月以来の高水準となった。ロイターがまとめたエコノミスト予想は平均で5.0%だった。